ここ最近、天然素材を使った釉調合の釉薬を探っています。釉薬の原料は全て天然といえば天然なんですけど合成ものではない、釉として*「溶ける前でも安全」なものといった意味合いです。天然灰はもちろん貝殻の灰や卵の灰など探してみるといろいろと面白いものが出てきます。
*釉薬を溶かすのに亜鉛・炭酸バリウムなどの溶媒剤を用いることがありますがこれらを使わないということ。もちろん、これらを用いても高温焼成されていればガラス質の中に閉じこめられ無毒化されるといわれております。
釉薬を調合する前におよその溶け具合をゼーゲル式(原料の成分をモル数で割り出したもの)を使い予想し調合比を出していきます。科学分析値などは覚えてられるほど頭もよくないのですべてエクセルに入力しておいてPCにて夜な夜な計算。今回は溶け具合を変えたもの、原料を変えたものなど全7パターン+遊びの釉薬を2パターンほど。ゼーゲル式は色味や風合いまでは分からないのであとは経験上のものと感で調合。
←ゼーゲル式 アルカリ アルミナ シリカのモル量のバランスから溶け具合が分かる。
0.1g単位でコリコリと調合。アレ?意外と陶芸って科学的!?というか実はかなり理系な世界。苦手だー(笑)
結果は…う~ん、天然ものだけあってなかなか計算通り思ったような色調質感にならない。添加材を入れてしまえばある程度面白い色調は得られるけど、全部天然で溶ける前でも安全なもので調合された釉薬で思ったものを作りたい。これが自然の厳しさと同時に釉薬作りの面白いところでもあるのかな。