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Kiln Maintenance/Exchanging heat-ray
窯の修理 耐熱線の交換

陶芸窯。毎週焼いていれば壊れることも。 炉壁の補修に熱線の交換。たまにはメンテナンスも必要ですね。

使用した道具

  • 手袋:軍手でもOKだけど絶縁手袋が○
  • スパナ:制御ボックスを開閉
  • ペンチ:熱線を切断
  • 粉塵マスク:塵肺にならないように
  • 6角レンチ:金属コネクター脱着
  • ライト:熱線・ボックス内を確認
01.

温度上昇エラー

温度上昇不能 このケースは耐熱線劣化・ヒューズ切れ・熱線切れが考えられる。目視で各箇所をCheckすると熱線が激しく黒くなっている。コレだ。

02.

交換部品

今回交換したのは熱線2本。接続端子のコネクター4ヶ。接続端子は品質改善のためか新しい形になってくることがよくある。発注して4日後に到着。納品は意外と早め。

03.

ヒーター線

コレがヒーター線。パイロマックスっていったかな。1本1.5万円ぐらい。のちのち出てくる炉内の線と比べるとピカピカしていますね。

04.

金属端子

接続端子のコネクター。1,300℃の温度に耐えうるような金属で出来ているんでしょうね。

05.

新コネクター

旧部品から改良されている様子。熱線と耐熱電線をつなぐ穴が1つから2つになり接続しやすい。

06.

旧コネクター

これが旧コネクター。穴も一つだし少し焦げてる。左の部品と比べると少し頼りないような。

07.

古い熱線の確認

交換前の炉内。先ほど確認した熱線と比べて焦げ付いているのが分かる。こうなるとなかなか温度が上昇がしずらい状況に。*耐熱線交換後は温度上昇もスムーズに。

08.

古い熱線を取り出す

ブレーカーを落とす。コントロールボックスの遠いところから外すのが基本だが角の外しやすい所からでもいいと思う。ただ炉壁がもろく掛けやすいので慎重に…

09.

熱線を切断する

だんだん慣れてきて慎重さがなくなってきたところ。意外にもサクサク外れる。外れたら熱線が出ている根元付近をペンチ等で切断。

10.

取り外し完了

取り外した古い熱線を見るともろく黒焦げている様子が分かる。銅などの揮発系の釉薬を多く使うと劣化が早そう。釉飛びにも日頃注意したいところ。

11.

コントロールボックスを開ける

ボックスを開けると下のような配線郡が出てくる。『全然分からない!』という思いが一瞬頭をよぎるがよく見れば単純。例のコネクター部分だけを見ればいい。

12.

旧コネクター・熱線を外す

6角レンチでコネクター部を緩め熱線を完全に取り除く。コネクター部の黒耐熱電線の下にちょこっと覗かせている線が熱線。白い棒のようなものはセラミック製。

13.

熱線の溝を掃除する

新しい熱線を入れる前に炉内、溝などを粉塵マスクをし清掃する。溝はホウキよりも筆の方が清掃しやすかった。筆などで履いた後は掃除機で吸い取ると完璧。

14.

さらに念入りに

結構な量のゴミが取れた。素焼きで爆発したときのものや熱線を取り出した際に削れた炉壁などetc...耐熱煉瓦は思いのほかもろく欠けやすいので注意。

15.

熱線の装着

新しい熱線をコントロールボックス側に出す。耐熱線の根本に見える白いセラミック質の筒は非常に硬くて丈夫だったので結構ガツガツやっても大丈夫。

16.

新しい熱線を溝にはめる

新しい熱線は柔軟性があるので比較的入れやすい。かっちり溝からはみ出ないように入れていく。ちなみに、熱線は一度窯入れすると脆くなるので焼成後は注意が必要です。

17.

熱線の最終調整

熱線をすべて溝に入れ終わったら偏りが出ないように微調整しながら入れ直す。ココでは1箇所がなかなか入りずらくて苦労した。どうしても熱線が溝から出っ張ってしまう。炉壁が欠けないようにずらしつつ納めていく。

18.

新コネクターに熱線を繋ぐ

セットボルト側(6角レンチの刺さってる穴)に熱線を、ソケットボルト側に耐熱電線をしっかりと繋ぐ。この白い筒の中で耐熱線が焦げているものもあった。目視で耐熱線が大丈夫でもここが原因のことがあるかも。

19.

余分な熱線を切る

ペンチなどでコネクター部より出た余った熱線をカットする。各箇所同じようにコネクターに熱線、耐熱電線を繋いでいきコントロールボックスを閉め終了。

20.

ブレーカーを上げ終了

もう一度張り直した熱線、コントロールボックスを確認しブレーカーを上げる。写真は窯に繋がれたリード線。太さ3cmぐらい。窯の熱線交換レポートでした。

Column

上記、耐熱線の交換は初代の電気窯のものです。当時、交換をしたくてもなかなか情報がなかったため10年以上前にWEBにあげたものですがページに残しました。窯の構造は非常に単純なのでそれほど今と変わりはないと思います。窯の取り扱い。どんな窯でも耐熱煉瓦が使われていると思うのですがこれがなかなか弱く掛けやすくヒビが入りやすいものです。特に窯の蓋にヒビが入りやすく開け閉めにはいつも気を使います。上蓋式は形状的にはアーチ形になっているものの方が耐久性が高そうです。窯詰めや取り出しのときは細心の注意を払いたいところです。あとは揮発性の高い釉薬。流れやすい釉薬。いろいろ気を使わなければいけないことが多いですよね。温度上昇がしづらくなっている場合、あと考えられるのはリレーの劣化。これも簡単に交換できます。パネルを開けそれらしきパーツを取り出し、パーツに書かれたメーカー、品番を調べ発注。あとは逆の作業。陶芸やっているといろいろと器用になってきますよね。